自宅で焼き菓子を販売するには?開業前に知っておきたい法律・許可・届け出の方法まとめ

「自宅で焼いたお菓子を販売してみたい」と思ったことはありませんか?
Instagramでスイーツ投稿をしていたら「売ってほしい」と言われたり、イベントで配ったクッキーが好評で「お店出したら?」なんて声をもらったことは?

でも、いざ始めようと調べてみると――
「営業許可がいる?」「自宅のキッチンじゃダメ?」「届け出ってどこに?」
そんな疑問や不安にぶつかり、足が止まってしまう方も少なくありません。

この記事では、副業でスイーツ販売を始めたい会社員や、これから開業を目指す個人事業主の方に向けて、自宅で焼き菓子を販売するために必要な法律・許可・届け出の方法をわかりやすく解説します。

読めば、あなたの「お菓子を仕事にしたい」という想いが一歩現実に近づくはずです。

目次

  1. 自宅で焼き菓子を販売するには許可が必要?
  2. 必須!食品衛生責任者と営業許可制度の基礎知識
  3. 自宅で営業許可を取るためのキッチン改修ポイント
  4. 「菓子製造業」か「飲食店営業」か?選ぶ許可の違いとは
  5. 開業後に気をつけたい保健所対応と集客の方法

自宅で焼き菓子を販売するには許可が必要?

「自宅で作ったクッキー、友達に売るくらいなら大丈夫だよね?」
そう思っていませんか?

私も最初はそうでした。Instagramにアップした手作りマフィンが思った以上に反響を呼び、「販売してほしい」とDMが届くようになったのがきっかけです。

趣味で作っていたお菓子が、誰かに喜んでもらえるなんて、こんなに嬉しいことはありません。
でも、販売しようと調べ始めた途端、分からない言葉ばかりが出てきて混乱したんです。

「食品営業許可」「保健所」「食品衛生責任者」「製造業登録」——
どこまで必要なの?どこに相談すればいいの?ネットの情報もバラバラで、なかなか前に進めませんでした。

結論から言うと、自宅で焼き菓子を「販売」するには、基本的に営業許可が必要です。
どんな販売形態であれ、「不特定多数の人に有償で提供する」場合には、法律で定められたルールに従う必要があります。

そのため、開業前には必ず保健所への確認と申請が必要です。以下でその内容を具体的に見ていきましょう。

【販売=食品衛生法の対象】
家庭用としてお菓子を作るだけなら許可はいりません。
しかし、**「お金をもらって人に販売する」時点で、「営業行為」**と見なされ、食品衛生法が適用されます。

【主な許可内容】

  • 菓子製造業の営業許可
  • 食品衛生責任者の資格取得
  • 施設基準に合った厨房・製造スペースの設置

【許可が不要なケースもある?】
一部の自治体では、「シェアキッチン」や「加工業許可が不要な軽微な取引」など例外があります。
ただし、基本的には「営業許可ありき」で考えるのが安全です。

必須!食品衛生責任者と営業許可制度の基礎知識

「食品衛生責任者って資格が必要って聞いたけど、どうやって取るの?」
「そもそも“営業許可”って、どこで申請するの?」

初めてだと、言葉の意味すらわからないことが多いですよね。

焼き菓子販売を行うには、最低限この2つを押さえる必要があります:

  1. 食品衛生責任者の資格を取得すること
  2. 保健所で営業許可を申請・取得すること

【食品衛生責任者とは】

  • 店舗や製造所に1人以上必ず配置しなければならない人
  • 調理師・栄養士などの資格がない人は、1日講習(約6〜8時間)で取得可能
  • 地方自治体の衛生協会で定期的に開催されており、費用は1万円前後

【営業許可申請】

  • 管轄の保健所に相談・申請
  • 現地調査・施設基準に基づくチェックあり
  • 許可証が交付されるまでに1〜2ヶ月かかるケースも

【費用の目安】

  • 許可申請費用:約16,000円〜20,000円(自治体により異なる)
  • 食品衛生責任者講習:約10,000円前後

自宅で営業許可を取るためのキッチン改修ポイント

「自宅のキッチンを使っていいって本当?どこまで直せば許可が取れるの?」

SNSでは「自宅OK」と言ってる人もいれば、「専用キッチンが必要」とも言われます。何が本当なのか、迷ってしまいますよね。

営業許可が取れるかどうかは、キッチンの「構造設備基準」に適合しているかどうかにかかっています。

【保健所が見る主なポイント】

  • 調理スペースが清潔・衛生的に保たれているか
  • 家族と共用ではなく、事業専用スペースであること
  • 冷蔵庫、洗浄設備、作業台などの配置と衛生状態

【よくあるチェック項目】

  • 調理台・シンクが二槽式かどうか(地域により例外あり)
  • 扉つきの収納・防虫防鼠対策
  • 食品保管庫が個人用と分離されているか
  • 換気扇・排水設備の整備

【キッチン改修にかかる費用例】

  • 簡易的な改修:10万円前後
  • 専用キッチンの設置:30万円〜

「菓子製造業」か「飲食店営業」か?選ぶ許可の違いとは

「焼き菓子の販売には“製造業”だけでいいの?」
「イベント出店やカフェもやりたいなら何が必要?」

目的に応じて、取得すべき許可が変わることを知らない人は意外と多いです。

焼き菓子を製造して販売するだけなら「菓子製造業」
ただし、店頭で提供(カフェ営業等)もしたいなら「飲食店営業」も必要です。

営業形態 必要な許可
自宅で焼いて販売のみ 菓子製造業
店舗内で食べられる形式(カフェなど) 飲食店営業 + 菓子製造業
イベント販売やマルシェ参加 地域により臨時営業許可が必要なことも

【ダブル許可取得の注意点】
・申請書類が増える
・キッチンの構造基準がより厳しくなる
・複数の責任者配置が必要な場合も

開業後に気をつけたい保健所対応と集客の方法

「許可は取ったけど、これから何をすればいいの?」
「集客ってどうやるの?」

スタートは切れても、その後の維持や集客が一番のカギになります。

営業開始後も衛生管理を継続し、適切な集客導線を作ることが求められます。
保健所からの抜き打ち検査や更新手続きにも注意しましょう。

【営業後の注意点】

  • 年1回の立ち入り調査がある地域も
  • 変更(引越し・拡張・業態変更)時は再申請が必要
  • 衛生管理記録や温度管理表の記録義務

【集客の基本】

  • SNS運用(Instagram、LINE公式など)で魅せる写真・情報発信
  • マルシェやネット販売サイト(BASE、STORESなど)との連携
  • Googleマイビジネスに登録して、地元検索でヒットさせる

自宅で焼き菓子を販売するには、しっかりとした許可取得と衛生管理が必要不可欠です。
とはいえ、一つひとつのステップを丁寧に踏んでいけば、決して難しいことではありません。

あなたの作ったお菓子が、**「ただの趣味」から「誰かに喜ばれる仕事」**に変わる瞬間は、すぐそこにあります。

まずは管轄の保健所に問い合わせて、第一歩を踏み出しましょう。

 

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