あなたが洋菓子店を開業するとしたら、何品ぐらいの商品を並べますか?
10品?20品?それとも「たくさんあったほうが選んでもらいやすい」と思って、できる限り多く作ろうとしていませんか?
実は、商品数が多ければいいというわけではないのが洋菓子ビジネスの難しいところ。
「選択肢が多すぎて逆に売れない」という現象が起きてしまうこともあるのです。
この記事では、個人事業主・副業スイーツ店を目指す会社員・小規模で開業する人たち向けに、最適な商品数とその選び方のコツをお届けします。
あなたの理想の洋菓子店を、ムリなく・ムダなく・効率よく立ち上げるためのヒントになれば嬉しいです。
目次
- なぜ「商品数が多い=売れる」とは限らないのか?
- 最適な商品数は何品?目安と判断ポイント
- 売れるラインナップを組む3つの基本構成
- メニュー選びでやりがちなNGとその対策
- 商品を絞っても売れる!リピート・話題化の工夫
なぜ「商品数が多い=売れる」とは限らないのか?
「たくさん商品があれば、それだけお客様の好みに合うはず」
私もそう思っていました。
洋菓子の種類は無限にありますよね。焼き菓子、ケーキ、プリン、チョコレート、タルト、パウンドケーキ…自分が作れるものはどれも魅力的で、「これも置きたい、あれも出したい」と欲張ってしまいがち。
でも、開業したばかりの頃の私は、常に在庫に追われ、ロスに苦しみ、思ったより売上が上がらない現実に直面しました。
そして気づいたんです。
「商品が多すぎると、かえって売れない」ことがある。
商品の数は、お客様にとって「選びやすさ」と直結します。
多すぎると迷わせてしまい、結果「買わない」という選択になることも。
開業初期は**“迷わせない構成”に絞ることが大切**です。
そのためには、まず「商品数の最適解」と「目的に合った選び方」を知る必要があります。
- 「選択肢のパラドックス」という心理学があります。選択肢が多すぎると、人は選べなくなるという現象です。
- 特に洋菓子のように“どれも美味しそう”なものが並んでいると、迷いが生まれます。
- 結果的に、購入が後回しになったり、選び疲れて立ち去ってしまう人も。
また、商品数が多いと、以下のような負担も発生します:
- 作業量の増加(=仕込みが大変)
- 材料費・在庫ロスの増加
- 写真撮影やSNS投稿などの負荷増
- お客様への説明が複雑に
これらはすべて、開業したばかりの小規模事業者にとって大きなコストです。
最適な商品数は何品?目安と判断ポイント
「じゃあ、いったい何品にすればいいの?」
という疑問が生まれますよね。多すぎず、少なすぎず、選びやすい数とは?
目安としては、3〜6品からスタートするのが理想的です。
これは選びやすく、SNSやPOPでも紹介しやすく、在庫管理もしやすい絶妙な数です。
例えば、開業時の構成として以下のようなラインナップが考えられます:
- 定番人気(例:フィナンシェ)
- 自信作・看板商品(例:チーズタルト)
- 季節限定(例:いちごのシフォン)
- 日替わりや週替わりで変化を出せるもの(例:クッキー詰め合わせ)
「固定商品+変化枠」という形にしておくと、飽きられず、運営側も柔軟に対応できます。
売れ行きを見てから徐々に商品数を増やしていけば、無駄なく・効率的なメニュー展開が可能です。
売れるラインナップを組む3つの基本構成
「どれを選べばいいのか分からない」「全部定番にしてしまっていいの?」と迷うことも多いはず。
売れるメニュー構成には一定のパターンがあります。
「定番・新しさ・話題性」の3つのバランスが重要です。
以下の3タイプを意識してバランスよく組み合わせましょう:
- 定番商品(安定して売れる)
例:フィナンシェ、パウンドケーキ、プリン
→ 価格も手頃で、初見のお客様が安心して手に取れる商品。 - 推し商品(差別化ポイント)
例:フランス仕込みのレモンタルト、自家製キャラメルサンド
→ 他の店にはない、あなたならではのストーリーがあると◎ - 話題性のある商品(SNS映え・限定性)
例:季節限定ケーキ、コラボスイーツ、地元食材使用
→ 話題づくりや、フォロワーの投稿を誘う起点に。
この3要素を意識することで、自然と“売れる構成”になります。
メニュー選びでやりがちなNGとその対策
商品選びでありがちなのが、「自分が作れるもの=売れる」と考えてしまうこと。
その結果、独りよがりなラインナップになりがちです。
「売れる=お客様が欲しいもの」であることを忘れずに。
需要ベースで考えることが何より大切です。
よくあるNG例とその対策:
- NG①:技術的に得意なものばかりを並べる
→ 対策:試食会やSNSアンケートでニーズを確認 - NG②:価格帯がバラバラで買いにくい
→ 対策:ベース価格を揃え、セット買いしやすくする - NG③:色合い・見た目が地味で印象に残らない
→ 対策:盛り付けやパッケージで視覚的魅力を強化
自分目線での「作りやすさ」だけでなく、「選ばれやすさ」「買いやすさ」も基準にしましょう。
商品を絞っても売れる!リピート・話題化の工夫
「数が少ないと飽きられない?」と不安に思うかもしれません。
でも、それは工夫次第で解決できます。
メニュー数が少なくても、「また食べたい!」と思わせる導線があればOK。
お客様の記憶に残る仕掛けを意識することがカギです。
リピートと話題化のための工夫例:
- 購入者の声をPOPやSNSで紹介 → 信頼感UP
- パッケージにストーリーを添える → 記憶に残る
- 季節限定・数量限定を月1でリリース → 追いかけたくなる
- お得なセット販売・定期便を導入 → リピートが自然に
売れるかどうかは「数」より「記憶と感情への残り方」です。
商品数を増やせば売れるわけではありません。
むしろ、小さなスタートほど、商品数を絞ることでコスト・導線・印象・売上の効率を最大化できます。
・最初は3〜6品で構成
・定番・推し・話題性の3本軸
・顧客目線で選びやすい形にする
・リピートと話題化の仕掛けを忘れない
これが、ムリせず売れる洋菓子店のメニュー戦略の基本です。
最初の一歩こそ、迷わず・スリムに。そして、お客様と共に育てていきましょう。
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