洋菓子店を開業するにあたって、どこから仕入れるか、もう決まっていますか?
また、今すでに運営されている方は、「もっと良い仕入れ先があったのでは」と悩んだ経験はないでしょうか。
「信頼できる仕入れ先が見つからない…」
「価格交渉ってどうやってすればいいの?」
「品質はいいけど、利益が出ない…」
実はこれ、洋菓子店を始める個人事業主・副業会社員にとって、かなり“あるある”な悩みなんです。
この記事では、そんな仕入れに関する悩みを解決すべく、
**「仕入れ先の見つけ方」と「失敗しない交渉術」**を具体的にお伝えしていきます。
あなたの経験にも「そうだった!」と思うことが、きっと出てくるはずです。
ぜひ、あなたのお店の“これから”に活かしていってください。
目次
- 洋菓子店が仕入れでつまずく理由とは?
- 信頼できる仕入れ先の見つけ方5選
- 価格交渉がスムーズになるための準備
- 交渉で失敗しないためのポイントとNG例
- 長く付き合える仕入れ先を育てる方法
洋菓子店が仕入れでつまずく理由とは?
私が洋菓子販売を始めた当初、一番困ったのが「どこから材料を買えばいいか」でした。
ネットで検索しても情報はバラバラ。大手はロットが大きすぎて在庫が余るし、少量対応してくれるところは送料が高い…。
しかも、仕入れ価格が高いと、いくら美味しくても利益が出ない。
このジレンマに、多くの初心者が直面します。
「良い材料を、適正価格で仕入れる」って、実は簡単なようで難しい。
この問題のカギは、「最初から完璧を求めないこと」。
段階的に仕入れ先を“育てていく”発想が大切です。
まずは仕入れの失敗を減らすために、「なぜつまずくのか」を理解しましょう。
洋菓子店の仕入れでつまずく理由は、大きく3つあります:
- 情報不足:卸サイトや地元業者の情報がまとまっておらず、選択肢が見えない。
- 交渉経験のなさ:価格や条件の交渉が苦手。言い出せずに不利な条件を受けてしまう。
- 比較ができていない:最初に出会った仕入れ先を「良い」と思い込み、比較しないまま進めてしまう。
これらを乗り越えるには、複数のルートを確保し、相見積もりをとりながら、少しずつベストな業者を絞り込むことが重要です。
信頼できる仕入れ先の見つけ方5選
「じゃあ、どうやって仕入れ先を見つければいいのか?」
多くの人がこの段階でつまずいてしまいます。
仕入れ先は、ネットだけで探すのはもったいない!
以下のように、いろんな角度から探すことで、相性の良い業者が見つかる可能性がグッと上がります。
おすすめの仕入れ先探しの方法は以下の5つ:
- 業務用食材の卸サイト(例:タスカルネット、A-プライスなど)
→ 少量からOK、価格比較しやすい。 - 地元の製菓材料店との取引
→ フレッシュな素材、相談もできる。小規模な洋菓子店にはおすすめ。 - マルシェ・展示会・製菓イベントに参加
→ 生産者と直接出会えるチャンス。信頼関係を築きやすい。 - SNSでつながる(Instagram、Xなど)
→ 小規模生産者が直接発信しているケースも増加中。ダイレクト交渉が可能。 - 地域の異業種交流会・商工会に相談する
→ 知る人ぞ知る優良業者の紹介を受けられることも。
**複数のルートからリストアップし、「比較しながら交渉」**が基本です。
価格交渉がスムーズになるための準備
「交渉なんてしたことない…」
「言いづらいし、失礼に思われたらどうしよう」
そう思う方は多いですが、交渉はビジネスにおいて当たり前の行為です。
価格交渉をスムーズにするには、「準備段階」が8割と言われています。
相手も納得できるよう、データや目的を用意しておくことが重要です。
交渉前の準備チェックリスト:
- 自分の販売単価と原価率の目安を把握する
→ 例えば「原価率30%以内にしたい」など。 - 他社と比較した見積もりを持っておく
→ 相場感を伝えやすい。値下げ交渉もしやすくなる。 - 数量や継続取引の意思を伝える
→ 長期的に仕入れる意志を見せることで、条件が良くなることも。 - 相手のメリットも伝える
→ 「SNSで紹介する」「地元のPRになる」など、相手にとっての利点も示すと好印象。
交渉で失敗しないためのポイントとNG例
交渉に挑戦しても、「失敗して信頼を失った」というケースもあります。
それは、やり方を間違えてしまっているから。
交渉は「自分の要望を一方的に押しつける場」ではありません。
“WIN-WIN”を目指す対話の場と捉えましょう。
交渉の成功ポイント:
- タイミングを見て交渉する(いきなり初回で値下げ要求しない)
- 相手の立場も理解した上で話す
- 感情を出さずに、数字で話す
- 代替案を持っておく(配送回数、支払い方法などで柔軟に)
NG行為:
- 「○○円じゃないと無理です」と強引な押しつけ
- 他社と比べて批判的に話す
- 最初から値段しか見ない(品質や信頼性も重要)
長く付き合える仕入れ先を育てる方法
「安く仕入れられたけど、結局続かなかった…」
そんな経験、ありませんか? 一回の安さよりも継続して安定供給してもらえる関係性のほうが大切です。
良い取引先とは、「取引を通じて関係が育つ」相手のことです。
長く付き合える仕入れ先との関係構築には:
- 感謝の気持ちをこまめに伝える
→ 「いつもありがとうございます」「すごく助かってます」と言えるだけで違います。 - トラブル時の対応で信頼を深める
→ 配送遅延や品質に問題があった時、冷静に対応しましょう。 - 取引内容の透明化・記録化
→ 発注書やチャット履歴を残すことで誤解を防ぎます。 - 年1回は条件見直しの打診をする
→ 関係が深まっていれば、見直しに応じてもらいやすくなります。
洋菓子店の経営において、**仕入れは「命綱」**ともいえる重要な要素です。
・正しい方法で探す
・準備をして交渉する
・関係を育てていく
この3つを意識すれば、初心者でも安定した仕入れルートを築くことができます。
まずは、今の仕入れ先に満足しているか? 自分に問いかけてみてください。
そして、今日できる“小さな改善”を始めてみましょう。